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エネルギー体

地球側からは便宜上「物質η」と呼ばれている。
正式名称はルナリス語で VITALIERA(ヴィータリエラ)。



基本特性

ヴィータリエラは、

など、あらゆる既知エネルギーへと変換可能な特異物質である。

その原理は、真空エネルギー(ゼロ点エネルギー)を局所的に発現させ続ける性質に基づく。

言い換えれば、

エネルギーを「作る」のではなく、
宇宙の基底状態から引き出している。



分布と海底層

ルナリスの海底奥深くには、高濃度ヴィータリエラ層が存在する。

そこから滲み出した微量成分により、海は淡く金色に輝く。

深層へ進むほど濃度は増し、一定濃度を超えると光を反射しなくなり黒く見える。
この領域は「黒海」と呼ばれる。
ちなみに現実に存在する黒海と名前が被っているが、黒海以上の何物でもないため仕方がない。
200年後の一部組織ははオリジナルの黒海を黒海と呼ばなくなったという逸話まである。

黒海は反射率が極端に低下しているため黒く観測されるが、実際には高密度エネルギー状態にある。



生物の起源

ルナリスの生物は、

水 + ヴィータリエラ


の化学反応から発生した。

顕微鏡観察では、細胞構造の一部が光粒子的な挙動を示す。

地球生物が完全水基盤であるのに対し、
ルナリス生物は半η構造を内包する。



物質状態

ヴィータリエラは、

で利用可能。

ただし自然界の高濃度ヴィータリエラは極めて危険である。



高濃度ηによる侵食

自然界の高濃度層では、

結果として、生物は溶解する。

ただし即死ではなく、
一定時間以内に離脱すれば回復可能。

侵食が進むと、生物は地形の一部のように変質する。

一部の特異種のみが耐性を持つ。



地上侵攻

ルナリス居住区外では、高濃度ヴィータリエラが地表にまで侵攻している。

金色の鉱石と特異種が織りなす景観は幻想的だが、極めて危険である。

侵食は現在も進行しており、生物の生息域は徐々に縮小している。



単位と非線形増幅

エネルギー量は「η(イータ)」で表される。

単独の1ηが放出可能なエネルギーは微弱であり、瞬間的な微電力程度。

しかし、

同時に作用するηの総量が増えると
発生エネルギーは非線形的に増加する。


これは比例増加ではなく、
相互干渉による急激な出力増大を引き起こす。

そのため工業利用では分散管理が原則となっている。



純度差

同じ1ηであっても、

では挙動が大きく異なる。

高純度ヴィータリエラは、接触のみで深刻な汚染を引き起こす。

制御は事実上不可能。



実質的無限性

ヴィータリエラは無限エネルギー源とされる。

これは、

という循環に基づく。

数万年単位で蓄積すると高濃度層を形成する。

高純度層からは飽和まで資源が漏出し続けるため、実質無限と見なされる。

ただし漏出分は有限。

地球側が高純度を地球環境で管理すると地球が汚染されるため、
地球人はルナリスへの移住を選択せざるを得ない。



エネルギー体の危険性

分子レベルで先祖返りが発生する可能性がある。



大量絶滅との関係

約6600万年前の隕石衝突により、ヴィータリエラ層が一部崩壊。

一時的にη濃度が低下し、生物の居住域が拡大。

当時の生物は完全η生物であったが、
ηが希薄化した層で進化が進み、η割合が減少。

その結果、現生ルナリシアンは耐性が弱まった。



先祖返り現象

10本足の犬などは、ηの先祖返りによる形質異常。



地球人への影響

地球人はη耐性を持たない。

体内水分とηが化学結合を起こし、
細胞構造を保持できなくなり死亡する。

ただしルナリス居住区は安全域に管理されている。